沖縄めがね先生の整体院

沖縄の「めがね先生の整体院」は、画像診断の尊重と“体の使い方”の最適化で、痛みを繰り返さない体づくりを支援します。

姿勢を良くしようとして余計につらくなる人へ|「胸を張る」はもうやめませんか

胸を張らない良い姿勢のイメージ

「姿勢を良くしようと思って、胸を張ってみた。…でも、数分で首と腰がつらくなる」。こういうお話を、当院では本当によく聞きます。見た目はシャキッとしているのに、ご本人はずっと我慢して立っているような状態になってしまうんですね。

多くの方が、良い姿勢=胸をぐっと前に出すことだと思い込んでいます。でも、体のつくりから見ると、順番が逆です。先に肋骨を少し落ち着かせて、腹圧をつくる。そのうえで骨盤の位置を真ん中に置き、足裏(三点支持)と股関節ヒンジをそろえていくと、「頑張らなくても続く姿勢」に自然と近づいていきます。

「胸を張る」と、どこがつらくなるのか

胸を大きく張ると、肋骨が前上方に持ち上がり、背中は反りぎみになります。このとき、腰は前に反り、首と肩はわずかにすくみます。鏡で見ると「姿勢が良くなった」ように見えても、実際には腰と首・肩に負担を集めて立っているだけになっていることが多いです。

さらに、お腹の圧が抜けてしまうので、本来は体幹で受けたい重さを、前ももや腰の筋肉で頑張って支えることになります。「胸を張っている間はしゃんとしているけれど、気を抜くと一気にだるくなる」「長く続けられない」という場合、まさにこのパターンにはまっている可能性が高いです。

つまり「胸を張る姿勢」は、悪い意味での“筋トレ状態”を、日常生活のあいだじゅう続けてしまっているイメージです。これでは、肩こりも腰痛も、むしろ育ててしまいかねません。

姿勢を整えるときの“正しい順番”

ではどうすればいいか。ポイントは、上から無理やり形を作るのではなく、下から土台を積み上げることです。合図になるのは、「胸を張る」ではなく「吐く」です。

まず、座っていても立っていてもかまいません。軽く口をすぼめるようにして、ふーっと息を長めに吐いてみてください。吐いていく途中で、胸が少し下がり、肋骨まわりがキュッと内側に収まる感覚が出てきます。このとき、お腹の奥にそっと圧がかかるような感じがすれば、それが簡単な腹圧オンの状態です。

その次に、骨盤を前後にほんの少しだけ転がすように動かしてみましょう。腰をそらせる方向と、少し丸める方向、その中間あたりで「いちばん楽に呼吸できる位置」があります。そこがだいたい骨盤の中間位です。

立っているときは、足の裏に意識を向けます。かかと・親指の付け根(母趾球)・小指側の付け根(小趾球)に、そっと均等に体重を分けていくようなイメージで立ってみてください。指で床をつかむ必要はありません。指先は「軽く長く」伸びているくらいがちょうどいいです。

ここまで整ったら、前にかがむ動きや、物を取る動きでは腰から曲げるのではなく、股関節で折るように意識を変えていきます。これがいわゆる股関節ヒンジです。胸を反らさなくても、肋骨と骨盤と足裏と股関節がそろってくると、結果として「姿勢が良く見える」のに、体はそこまで頑張らない、という状態が作れます。

毎日1分だけの“姿勢リセット”

難しく考えずに、まずは1日何回か、1分だけやってみるのがおすすめです。たとえば、キッチンで立ち止まったときや、信号待ちのとき、電車やバスの中など、どこでもかまいません。

立った状態で、まずはさきほどの「吐く」からスタートします。息を吐きながら肋骨を少し下げ、お腹の奥に圧がかかるのを確認します。そこから骨盤をわずかに前後させて、真ん中で止める。足指の力を抜き、かかと・母趾球・小趾球に静かに重さを預けてみる。ここまで来ると、多くの方が「さっきまでと重心の位置が違う」「腰の反り方が変わった」と感じます。

その状態のまま、少しだけ上体を動かしてみてください。前にかがむときは、腰からではなく股関節のところから折るようにして、胸は必要以上に突き出さない。これだけでも、腰への負担はかなり変わります。最初は意識が必要ですが、慣れてくると「胸を張ろう」としなくても、自然に骨盤から上が立ちやすくなるはずです。

よくある誤解と、やめた方がいいクセ

よくあるのが、「猫背と言われたから、とにかく胸を広げて、肩を後ろに強く引く」というパターンです。これは一時的に姿勢が良く見える代わりに、首から背中の筋肉をガチガチに使い続けてしまいます。猫背を直したい気持ちが、そのまま首・肩こりを育ててしまう形です。

また、「しっかり立とう」として、腰を反らせて背筋で支えるクセも要注意です。腰のくびれのあたりを無理に前に押し出すような立ち方は、腰椎やその周囲の筋肉・靭帯に負担が集中します。長時間続けると、腰の痛みやだるさにつながりやすくなります。

足元に目を向けると、足指で床をギュッとつかみ続けている方も多いです。母趾球だけに体重をかけるクセがつくと、土踏まずやふくらはぎにも余計な緊張が残りやすくなります。こんなときほど、指を軽く長く伸ばし直し、三点支持に静かに体重を分けていくことが大切です。

よくある質問

Q. 胸を張らないと、余計に猫背に見えませんか?
A. 実際に調整してみると、胸を張らなくても姿勢は十分に整うことが多いです。肋骨を少し下げて腹圧が入ると、体幹が内側から立ち上がり、骨盤の中間位と三点支持がそろうことで、頭の位置も自然と真ん中に落ち着きます。結果として、見た目はむしろスッとした印象になり、呼吸もしやすくなります。

Q. ストレッチや筋トレだけでも姿勢は良くなりますか?
A. ストレッチや筋トレ自体は悪いものではありませんが、「どう使うか」が変わらないまま負荷だけ増やすと、思ったほど結果がついてこないことが多いです。短時間の調整で体のこわばりをゆるめたうえで、呼気→腹圧→骨盤中間位→三点支持→股関節ヒンジという流れを動作のなかで上書きしていくと、同じトレーニングでも効果の出方が変わってきます。

当院でのサポート(短時間×実践)

めがね先生の整体院では、まず肋骨の動き・腹圧の入り方・骨盤の位置・足裏の三点支持・股関節ヒンジをまとめてチェックし、「どこで無理をしているのか」「どこがサボっているのか」を一緒に確認していきます。

そのうえで、短時間のソフトな調整で全身のこわばりをゆるめ、「胸で頑張る姿勢」から「お尻と体幹で受ける姿勢」へと、実際の立ち方・動き方の中で少しずつ上書きしていきます。ご自宅でできる簡単なホームワークもお伝えしますので、「胸を張るほどつらくなる」という方は、一度ご相談いただければと思います。

まとめ

「良い姿勢=胸を張る」は、そろそろ卒業していい考え方です。呼気で肋骨を少し下げ、腹圧をつくる。そこから骨盤を中間位に置き、足裏の三点支持と股関節ヒンジを整えていくと、「見た目も呼吸も楽な姿勢」に自然と近づいていきます。

一人では感覚がつかみにくいときは、短時間のソフト調整+脱力×連動トレーニングで、その土台づくりをお手伝いします。無理をしながら胸を張るのではなく、「気づいたら楽に保てている姿勢」を、一緒に育てていければうれしいです。

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