「前は同じことをしても痛くなかったのに」…その言葉、すごくよく聞きます
整形外科や整体院で、いろいろな方のお話を聞いていると、よく出てくる言葉があります。
それが、
- 「前は同じことをしても痛くなかったんです」
- 「これまで普通にできてたのに、おかしいですよね」
- 「何か壊れたんじゃないですか?」
まず最初にお伝えしたいのは、その不安は“正常”ということです。
自分の体に違和感が出たら、誰だって心配になります。
ただ、その一方で、私はこの言葉を聞くたびに少しだけモヤモヤすることがあります。
それは、多くの方が「痛み=その場で直すもの」と思いやすいことです。
もちろん、検査や診察は必須です(ここは大事なので最初に)
ここははっきり書きます。
痛みがあるときは、まず医療機関で診察・検査を受けて、
危ないもの(骨折・感染・腫瘍など)を除外することが大切です。
そのうえで「大きな異常はなかった」と言われたのに、痛みや不調が続く。
そういう方が、次にどう考えればいいか。今日はその話です。
「異常なし=何も問題がない」ではなく、
「命に関わるものは否定できたので、次は“条件と使い方”を整理しよう」
という順番になることが多いです。
“劣化”というより「体の条件が変わった」…これが一番近い表現です
「劣化」という言葉は、言い方として少し強いので、私はあまり使いません。
代わりに、こう考えています。
同じことをしているつもりでも、体は同じ条件じゃない。
10代や20代と、社会人になってからの体は、条件が違います。
- 動く量(歩く・走る・しゃがむ・跳ぶ)が変わる
- 座る時間が増える(または同じ姿勢が長くなる)
- 同じ動作の繰り返しが増える(仕事・家事・育児)
- 疲労の抜け方・回復のスピードが変わってくる
- 筋肉や関節の“余裕(遊び)”が少しずつ減る
これは「あなたが弱いから」ではありません。
体の仕様が変わるのは、当たり前です。
痛みは「0→100で突然」じゃなく、80→100の最後だけが見えていることが多い
「急に痛くなった」と感じる方も多いのですが、実際は、こういう流れが多いです。
以前なら寝たら戻っていたような小さい負担が、
だんだん戻りきらずに積み上がっていって、ある日、限界を超える。
つまり、痛みは「壊れた証拠」だけではなく、体がブレーキを踏んだサインでもあります。
このブレーキが出たとき、多くの方がこう思います。
- 「どこかがズレたのかな」
- 「揉んで戻してもらえばいいのかな」
- 「ボキボキしたら治るのかな」
- 「電気を当てれば良くなるのかな」
楽になること自体は否定しません。
ただ、私がモヤモヤするのは、ここから先です。
「その場で楽になる」ことと、「また戻りにくい体にする」ことは別の話です
その場で楽になるケアには価値があります。
でも、使い方(負担のかかり方)が同じままだと、こうなりやすいです。
- 楽になる
- 同じ負担がかかる
- また戻る
- 「結局、治らない…」と不安が強くなる
だから私は、「治す=その場で戻す」だけで終わらせたくありません。
大事なのは、今の体に合う“条件”を作って、使い方を更新することだと考えています。
「元の体に戻す」より、
「今の体で、負担の少ない動き方に更新する」
私はこの方が、現実的で、長い目で見てラクだと思っています。
当院の考え方:体を整えつつ、使い方を“上書き”する
めがね先生の整体院では、短時間のソフトな調整で体のこわばりをゆるめつつ、
そのあとに「負担が少ない使い方」に上書きしていく流れを大切にしています。
具体的には、
- 呼吸(肋骨を落とす)で、上半身の力みを減らす
- 足の三点支持で、下から支える感覚を作る
- 股関節でたたむ動きを整理する
- 「お尻×体幹で受ける」感覚を作り、局所の代償を減らす
目的は、“痛いところ”を追いかけることではありません。
痛みが出やすい条件を減らし、戻りにくい方向に持っていくことです。
「同じ動き」をしているつもりでも、実は“やり方”が変わっていることが多い
これもよくある話です。
本人は同じように動いているつもりでも、痛みが出ている方ほど、動き方が変わっています。
- 力を入れる場所が増えている(固めて動く)
- 呼吸が止まりやすい
- 足元が弱くなり、上半身でがんばる
- 股関節が使えず、腰や背中で代わりに動く
こうなると、同じ家事・同じ仕事でも、体への引き落としが大きくなります。
だから「前は平気だったのに…」が増えるんですね。
この症状があるときは、整体より先に医療機関へ
ここは大切なので、やさしくはっきり書きます。
以下のような症状がある場合は、整体より先に医療機関に相談してください。
- 安静にしていても強い痛みが続く/夜間痛が強い
- 原因不明の発熱・体重減少
- 急な強いしびれ、力が入らない、歩きにくい
- 排尿・排便の異常を伴う(急に始まった)
- 転倒や事故のあとから症状が強い
「何も起きないことが多い」からこそ、「もしも」に備える知識も大事です。
当院でも、来院時に状態を確認しながら、必要に応じて受診の提案を行います。
こんな方に、この記事を読んでほしいです
- 「前は平気だったのに…」が最近増えた
- 検査で大きな異常はないと言われたが、しんどさが残る
- マッサージや矯正でその場は良いが、戻りやすい
- 痛みだけでなく、体の使い方も含めて整えたい
まとめ:「体が壊れた」の前に、“条件の変化”と“蓄積”を疑ってみてください
「前は平気だったのに…」と感じるのは、あなたが弱いからではありません。
体の条件が変わってきたところに、負担が積み上がって、限界を超えただけのことも多いです。
だからこそ、当院では、体を整えつつ、負担の少ない使い方へ“上書き”することを軸にしています。
その場の軽さだけで終わらず、「戻りにくい方向」を一緒に作っていけたらと思っています。
もしこの記事を読んで、「自分も条件が変わってきたのかも」と感じた方は、
体の使い方を見直すきっかけとして、当院をご利用いただければ嬉しく思います。