勉強している後ろ姿を見て、「あれ、こんなに丸かったかな?」と胸がざわつくことはないでしょうか。
スマホやタブレットに夢中なとき、ランドセルを背負って歩くとき、
なんとなく疲れて見える表情。
「このまま猫背になったらどうしよう」と心配しながら、
つい「背筋伸ばして!」「また丸まってるよ」と口にしてしまい、あとで「言いすぎたかな…」と
自分を責めてしまう親御さんも多いと思います。
子どもの姿勢は「根性」や「性格」ではなく、日々の習慣と環境の影響が大きいです。 このページでは、責めるのではなく、そっと支えるための視点をお伝えします。
まずお伝えしたいのは、猫背=すぐダメ、ではないということです。
長く座っていれば、大人でもどこかに寄りかかりたくなります。 子どもも同じで、背もたれに沈み込んだり、机にうつ伏せ気味になったりするのは、 からだなりの「今を楽にする工夫」です。
そこに「もっとシャキッとして!」「ちゃんとしなさい!」と重ねると、
子どもは「正しい形を頑張ってキープすること」がゴールになってしまいます。
本当に大事なのは、どうしたら疲れにくい座り方・呼吸の仕方になるかという
使い方のヒントを、一緒に探していくことです。
当院でお子さんを見ていると、からだの問題だけでなく、環境の条件がそろっていることがよくあります。
たとえば、足が床につかないイス。 足が宙ぶらりんだと、体を支える土台がなく、腰や背中が必要以上にがんばらなくてはなりません。 疲れてくると、だんだん前にずり落ちるような座り方になり、自然と猫背に近づきます。
画面が低すぎると、顔を近づけるために首が前へ出て、
肩や背中に力が入りやすくなります。
ランドセルや荷物をいつも同じ側だけで持つクセがあれば、
からだは無意識にバランスを取ろうとして左右差のある姿勢をつくります。
勉強・お絵描きの時間が長いお子さんは、鉛筆の握り方もポイントです。 指先に力を入れすぎると、手首→ひじ→肩→首と力みが連鎖し、 最後には「姿勢が悪い」「肩がこる」につながっていきます。
つまり、今の姿勢は「子どもが悪いから」ではなく、 いくつかの条件がそろった結果として現れていることが多いのです。
難しい体操を覚えなくても、「呼吸」「座り方」「手の使い方」に少し気を配るだけで、子どもの姿勢は変わっていきます。
これらはすべて、宿題の前・スマホやタブレットを触るとき・ランドセルを背負う前の「30〜60秒」でできます。画面が低ければクッションや箱で少し高くし、ランドセルは肩ひもを左右そろえて、ひと息フーッと吐いてから背負う――そんな小さな一手間で十分です。
そのとき、「また丸くなってるよ」「ちゃんとしなさい」ではなく、
「足ペタできたね」「さっきより指がふんわり持ててるね」と、できた一瞬だけを短くほめてあげてください。
完璧な姿勢を目指すのではなく、「からだを大事にできた経験」を少しずつ増やしていくことが、子ども自身の姿勢と自信の両方を支えていきます。
姿勢の問題と思っていても、整形外科や小児科の評価が先のほうが良い場合もあります。 たとえば、次のようなサインがあるときです。
こうした場合は、自己判断で様子を見すぎず、まず医療機関での診察をご検討ください。 当院でも、受診の目安についてご相談いただけます。
Q. ストレッチだけで良くなりますか?
A.
一時的に軽くなることはありますが、座り方・手の使い方・呼吸が変わらないと
元に戻りやすいのが正直なところです。
当院では、ストレッチよりも、環境+短い合図で
習慣そのものを変えていくことを重視しています。
Q. 猫背ベルトは使った方がいいですか?
A.
ベルト自体が悪いとは言いませんが、長時間つけっぱなしはおすすめしません。
使うとしても短時間の目安とし、
呼吸や座り方の工夫とセットで使うことが大切です。
Q. どれくらいで変化を感じる子が多いですか?
A. 個人差はありますが、多くのお子さんが初回から
「この座り方だとラク」「この持ち方だと疲れにくい」という感覚を体験されます。
それをご自宅でも続けられるよう、簡単なミニルーティンをお渡しし、
状態に応じて1〜3週おきのフォローをご提案することがありますが、
回数の押し売りはいたしません。
めがね先生の整体院では、子どもの姿勢を「親の努力不足」や「子どもの根性」で片づけず、 呼吸・肋骨の動き・座る環境・手〜前腕の力み・視線などを一緒に整理していきます。
そのうえで、からだ全体のこわばりをやわらげる短時間のソフトな調整と、 学校・家庭・スポーツで使える少しの意識とミニルーティンを、親子で一緒に練習していきます。
「元気に、のびのび過ごしてほしい」という親御さんの気持ちに寄り添いながら、 叱るためではなく、支えるための姿勢づくりを一緒に考えていければと思います。
※本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療に代わるものではありません。強い痛みや不安がある場合、医療機関の受診をご検討ください。