急に走る痛みで固まる——それがぎっくり腰(急性腰痛)。当日は炎症をいたわりつつ、痛みを強めない動きに切り替えるのが先決です。まずはやってはいけない3つを避け、安全な動き方に置き換えましょう。
当日“やってはいけない”3つ
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❌ いきなり深い前屈ストレッチ(靴下を無理に履く等)
→ 痛みを増やしやすい。可動を小さく慣らすのが先。
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❌ ひねりながらの持ち上げ(床から片手でヒョイ)
→
捻り+前屈は負担の組み合わせ。体の正面で近づけて扱う。
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❌ ずっと寝たきり・同じ姿勢のまま
→ 固さが増す。短時間ごとに小さく体位変換を。
代わりの“安全な動き方”(即日)
① 呼吸で力みを下げる(痛みセーブの合図)
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口をすぼめて3〜5秒吐く→肋骨をわずかに下げる(胸は張らない)。
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痛みが高まる動きは吐きながら小さく行い、反動はつけない。
② 起き上がりは“ログロール”(捻らない)
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横向き→両膝を軽く曲げる→体幹と脚を一緒に転がす。
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ベッド端で下の腕で押しつつ、同時に脚を下ろして起きる。
③ 前屈みは“股関節でたたむ”に置き換え
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お尻を少し後ろへ引き、背中は丸めず股関節から折る(ヒンジ)。
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物は体の正面・近くで扱い、両手で面で受ける。
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持ち上げは片脚半歩前(スプリットスタンス)+吐きながら。
30秒セルフチェック
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ログロールでの起き上がりは、ねじって起きるより痛みが軽い?
- 股関節でたたむと、腰の一点のつっかえが減る?
- 吐きながら動くと、同じ動作でも痛みが下がる?
応急の工夫(当日〜数日)
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冷やす/温める:熱感・腫れ感が強い間は短時間の冷却を。冷やしすぎ・長時間は避ける。
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座位:深く座って背もたれに骨盤を当て、足裏三点支持。長時間は避けて小休止。
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歩行:短距離を小またで。痛みが上がる前に休む。
受診を優先すべきサイン
- 発熱・夜間痛の悪化・安静でも強い痛み
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下肢の明らかな筋力低下・しびれの増悪、排尿排便の異常
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転倒・外傷直後、骨粗鬆症やステロイド内服中などのリスクがある
上記は医療機関の評価を優先してください。
Q&A
Q. 完全安静が一番いい?
A.
ずっと寝たきりはこわばりを強めがち。痛みが許す範囲で小さく体位変換・短時間歩行が回復に役立ちます。
Q. ストレッチはしてもよい?
A.
当日は深い前屈や反動は避け、吐きながら小さく可動を慣らす程度に。
当院でのサポート(短時間×実践)
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使い方チェック(呼気と肋骨・三点支持・股関節ヒンジ・起き上がり動作)
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短時間のソフト調整で体のこわばり(過緊張)をゆるめ、お尻×体幹が働きやすい土台づくり
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実践トレーニング:時間をかけて“腰で受ける→全身で受ける”へ。ログロール・ヒンジ・持ち上げの型を反復し、ホームワークもご用意します。
まとめ
ぎっくり腰の当日は、深い前屈・捻り持ち上げ・同一姿勢の継続を避け、呼吸→ログロール→股関節ヒンジの順で“安全な動き方”へ置き換えるのが近道です。
一人での調整が難しい方は、短時間のソフト調整+脱力×連動のトレーニングで実生活に落とし込むお手伝いをします。当院をご利用ください。
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