※ 開業準備中の一枚(2017年撮影)。ここから「めがね先生の整体院」がスタートしました。
「どうして独立して整体院を始めたんですか?」──時々、お客様からこんな質問をいただきます。
一言でいうと、 自分の中の“納得できない気持ち”をごまかせなくなったから です。
これまで私は、整骨院・整形外科・治療院など、いくつかの現場で勤めてきました。自分自身も、交通事故にあったあと、しばらく病院通いをした経験があります。
どの職場にも、「患者さんを良くしたい」という思いはありましたし、一緒に働いていた先生方やスタッフの人柄が悪かったわけではありません。
それでも、現場で行われていることは、どこも驚くほど似ていました。
思い当たる方も多いのではないでしょうか。「たしかに、通っていたところはそんな感じだったな」と感じる方もいると思います。
ここで大事なのは、 上に挙げた方法そのものを、全部ダメだと言いたいわけではない ということです。
適切な強さ・頻度で、安全に行われていれば、軽い症状や一時的な筋肉の緊張が原因の痛みであれば、正直どの方法でもよくなることは多いです。
実際、私もこれまでの職場で「電気とマッサージで十分よくなった」という方を何人も見てきました。
ただ、本当に問題になるのは、慢性化した症状です。
長年続いている腰痛や肩こり、膝の痛みなどの多くは、同じ筋肉を毎日のように緊張させていたり、同じ関節にいつも偏った負担がかかっていたりという、「体の使い方のクセ」の積み重ねで起きています。
ということは、本来であれば 「なぜその筋肉や関節に負担がかかり続けているのか?」 を分析し、立ち方・座り方・歩き方・力の入れ方といった使い方を、一緒に整えていく必要があるはずです。
ところが、現場ではそこをじっくり扱う時間も仕組みも、正直ほとんどありませんでした。
多くの整骨院や整形外科には、「マニュアル」があります。これは、誰が担当しても一定のレベルで同じことができるようにするための仕組みです。
こうしたマニュアルがあるのは、決して悪意からではありません。多くのスタッフが働き、多くの患者さんを限られた時間で診ていくには、 誰が担当しても同じ流れで施術できる仕組みが必要だからです。
ただその一方で、マニュアル通りの施術を続けているのに、関節の変形が少しずつ進んでしまっている方、電気やマッサージをしている間は楽だけれどすぐ痛みが戻ってしまう方も、たくさん見てきました。
そんな方々と向き合う中で、 「本当にこれでいいんだろうか?」 という疑問が、どうしても消えませんでした。
その中でも私は、できる範囲で、立ち方・座り方・呼吸の仕方・歩き方・力を入れる場所と抜く場所など、「体の使い方」そのものの改善を意識して施術するようにしていました。
するとありがたいことに、患者さんからは 「次もあなたの施術を受けたい」と言っていただけることが増えました。
その反面、上司や同僚のセラピストからは「マニュアルから外れたことはしないでほしい」と言われることもありました。
正直なところ、「自分は融通が利かない性格なのかな」と反省することもあります。それでも、 自分が大事だと思っていることを、見て見ぬふりだけはしたくない という気持ちが、心のどこかにずっと残っていました。
「その場しのぎではなく、ちゃんと体の使い方から変えていきたい」──その気持ちを、職場ではなく、自分の整体院という形で続けていくことにしました。
こうした経験を重ねるうちに、 考え方の違う場所でマニュアル通りに施術を続けるよりも、自分が納得できる形で、お一人お一人と向き合ったほうがいい と感じるようになりました。
もちろん、私のやり方が「唯一の正解」だとは思っていません。ほかのやり方が合う方もたくさんいるはずです。
それでも、 その場しのぎではなく、体の使い方からじっくり整えていきたい/自分の体ときちんと向き合ってみたい という方にとっては、自分の整体院ならできることがあるはずだと思い、独立を決めました。
次のような方には、きっとお役に立てることがあると思います。
めがね先生の整体院では、短時間のソフトな施術で全身のこわばりや力みを整えつつ、姿勢・呼吸・重心・関節の連動といった「体の使い方」を、日常の動きに合わせて一緒に整理していきます。
内心では今でも「もっと柔軟に考えたほうがいいのかな」と迷うこともあります。それでも、 自分に嘘をつかないこと/目の前の一人ひとりと真剣に向き合うこと だけは、これからも大事にしていきたいと思っています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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