ラケット、工具、フライパン、ペットボトル、買い物袋…。
何かを握る・持つたびに、肘の外側がズキッとする。
いわゆるテニス肘(外側上顆炎)でお困りの方から、よくそんなお話をうかがいます。
私は、テニス肘そのものだけでなく、
「どう握っているか」=持ち方・力の掛け方が大きなカギだと考えています。
同じ力で握っているつもりでも、
手のどこで受けているか・肘や肩の位置がどうなっているかによって、
肘への負担は大きくも小さくも変わります。
テニス肘の方を見ていると、持ち方のクセとして次のようなパターンが重なっていることが多いです。
こうなると、力が「手の入口」で詰まって、肘の外側で止まってしまう状態になり、
使うたびに同じ場所が疲れやすくなります。
まずは、難しいことを考えずに「入口」を少し変えてみるのがおすすめです。
これだけでも、「親指だけで頑張る握り」から、
手全体で受ける握りに少しずつ近づいていきます。
次のポイントは、力を肘で止めずに、前腕→肩・背中へ逃がすイメージです。
こうすることで、手の入口 → 前腕 → 肩甲帯・背中へと、
力の通り道が少しずつ分散されていきます。
いきなり全部を変えようとする必要はありません。例えば、
こうした小さな修正を、短い時間でこまめに挟むだけでも、
肘への負担は少しずつ変わっていきます。
ここまで読んで、「なんとなくイメージはわいたけれど、
実際に自分の動きのどこを直せばいいのか分かりにくい」と感じる方も多いと思います。
めがね先生の整体院では、まず短時間のソフトな調整で、
首・肩・前腕・肘まわりのこわばり(過緊張)をやわらげるところから入ります。
そのうえで、
といったポイントを、実際のラケット・工具・日常動作に近い形で
一緒に確認しながら練習していきます。
いまの握り方やフォームを全部否定するのではなく、
「握力はできるだけそのままに、肘への集中負担だけを減らしていく」イメージで、
少しずつ持ち方を上書きしていく形です。
なお、腫れ・熱感・夜間の強い痛み・しびれが進行している場合などは、
まず医療機関での評価が優先です。
そのうえで「使い方の見直しもしておきたい」というタイミングで、お力になれればと思います。
テニスや仕事をこの先も続けていきたい方ほど、
一度「持ち方」そのものを整理しておく価値は大きいと感じています。
不安があれば、どうぞ一度ご相談ください。
関連: テニス肘(症状ページ)/ 運動連鎖の解説/ 姿勢改善整体/ 当院の整体理念