医療現場で気づいたこと
充実した整形外科クリニックでの日々
肩や膝が痛くなると、多くの方はまず整形外科を受診されるでしょう。
レントゲンを撮り、問題がなければ湿布や電気治療。 軽い症状であれば、それで十分な場合もあります。
ですが私は、次第に違和感を覚えるようになりました。
「その場は楽になる。でも、なぜ繰り返すのだろう?」
そんな疑問を抱えていたある日、一人の中学生の患者さんを担当しました。
サッカーをしている男の子で、膝の痛みが続いていました。
レントゲンやエコー検査では異常なし。
安静、湿布、痛み止め。
電気治療やマッサージ。
ストレッチやリハビリ。
一通りの対応をしても、痛みは繰り返していました。
私は初めて、本気で考えました。
「なぜこの子の膝は痛くなったのか」
答えは、膝そのものではありませんでした。 本来は股関節や体幹で受けるべき負担を、膝が引き受けていたのです。
施術は“ほぐすこと”から、体幹の安定や動作の見直しへと変わっていきました。
私はトレーニングも一緒に行い、楽しみながら続けられる工夫をしました。
やがて彼は痛みなくサッカーに復帰し、「レギュラーになれた」と笑顔で報告してくれました。
あの瞬間、私は確信しました。
治すには、
痛む場所だけに目を向けるのではなく、
その痛みを生んだ体の使い方まで見直す必要がある。
写真は、整形外科を退職する際に患者さんからいただいた手紙です。
「ありがとう」「先生に出会えてよかった」 その言葉の重みは、今も私の原点です。
大事なのは、「良くなりたい」という本人の気持ちと、 それを本気で受け止める術者の姿勢だと、今も思っています。

