筋膜はよく、からだにピッタリとフィットするボディスーツに例えられます。また、この筋膜のボディスーツは、「第2の骨格」とも呼ばれます。
私たちは、骨格がなければ重力に逆らって立つことも歩くこともできません。その骨格があるべきところにきちんと収まり、きちんと機能することができるのは「第2の骨格」の筋膜のおかげなのです。
筋膜とは、その名の通り、筋肉を包んでいる、たんぱく質の線維でできた薄い膜のことです。
といっても、筋肉だけを包んでいるわけではありません。
血管や神経、脂肪、骨、靭帯や腱、内臓など、体の中のあらゆる組織を包み込んでつなぐ役割を果たしています。このことを広く含めてファシアというような言い方をします。
筋膜には筋肉を保護する作用、筋収縮時の滑りを助ける作用、血管や神経、リンパ管を支えて通過させる機能があります。
ほとんどの筋膜はコラーゲン繊維とエラスチン繊維でできており、コラーゲンとエラスチンはお互いに協力し合って身体の形を整えたり、身体の動きに合わせて形を戻したりしています。
筋膜に機能異常がみられると、本来はサラサラの水溶性の基質が粘土の高い状態になり、筋膜全体の滑りが悪くなります。
すると、筋膜を通っている血管や神経、リンパ管などの通過部分が圧迫されて循環障害などが起こります。
非対称な姿勢や動作をとり続けることや同じ姿勢を長時間とり続けること、怪我などによって身体の一部に負担がかかり、身体がアンバランスな状態となると筋膜が自由に動けない状態になります。
すると筋膜のよじれが生じて筋膜と皮膚・筋肉との間の滑らかな滑りが失われます。
筋膜のよじれができると、コラーゲン繊維とエラスチン繊維が一部により集まり、本来はサラサラの状態が粘っこくなってほどけなくなります。
筋膜は全身につながっているので、ほかの筋肉や筋繊維にまで動きの悪さが波及し、痛みや筋力の低下、柔軟性の低下、運動パフォーマンスの低下、日常生活活動の低下がみられるようになります。
筋膜のよじれやねじれを解消して、正しい筋と筋膜の伸長性と筋肉の動きの回復を促すのが筋膜リリースです。
筋膜リリースはストレッチのようにある一定の方向に伸ばすのではなく、筋膜をさまざまな方向に解きほぐしていくことです。
筋膜は不可逆性といって、硬く縮んだり、癒着した状態で放置した時間が長くなるほど緩みにくくなります。
その結果、小さなシコリのようなトリガーポイントができると、周りの血管を圧迫して血流が悪化し、血液中に痛みの原因となる疲労物質や発痛物質が蓄積していきます。
こうなると、痛みが増幅され、更に硬く縮んでいくという「痛みのスパイラル(悪循環)」始まります。
そこで、慢性化したこりや痛みをできるだけ早く緩和・解消し、痛みのスパイラルを防ぐためにも、トリガーポイント除去することが大切です。
※ご視聴の際は、音声が出ますのでご注意下さい。
実は慢性的な痛みの原因の多くが、長い間体が歪んでいたことによるものだといわれています。そのため、この歪んでいる期間が長ければ長いほど、正しい状態に完全に戻すにはどうしても施術回数が必要になってきます。
また、人間の体には、自然に元の状態に保とうとする働きが備わっています。その結果、たとえ施術を受けて良い状態になったとしても、身体が「元の悪い状態=正しい状態」と勝手に認識し、数日で元の悪い状態に戻ろうとしてしまうのです。
施術後は、痛みがなくなりスッキリして調子がいいのに、数日経つと、また同じような痛みが出たりするのはそのためです。
まずは続けて3~5回(1週間に1回のペース)の施術を目安にして頂けますようお願い致します。
改善後は、良い状態を維持するためにも月に1~2回程度のメンテナンス整体へとシフトしていくのがオススメです。
初回から施術間隔があいてしまうと、身体が施術前の悪い状態に戻ろうしてしまいます。
良い状態が保てるようになるまでは定期的にご来院ください。
手技で緩めます。
道具を使って皮膚をグリグリ擦るようなことはしません。
ピンポイントで癒着した筋膜だけをほぐすので、お肌や筋肉に対する負担が少なく、改善効果も高まります。
人にはそれぞれ動作や姿勢のクセがあり、どうしてもからだの一部の筋肉や筋膜にだけ負担がかかりがちです。
しかも、筋膜はひと続きボディスーツを形成していますから、肩を酷使したのに股関節が歪む、首を酷使したのに腰が痛むなど、筋肉を酷使した部分とはまったく関連がなさそうな部分にまで影響します。
施術で調整したポイントをもとに生活習慣などのアドバイスをおこなっていくなど、アフターフォローにも力を入れています。