骨折後の治療では、正確な固定が不可欠です。
骨のズレを避け、患者の回復を助けるために行われる固定の後、その後のリハビリが重要です。
患者さんの一例を通じて、治療のリアルなプロセスを見ていきましょう。
以下の動画では、私が担当した患者様の骨折治療の過程が垣間見えます。
ただし、この動画は整形外科時代のものであり、現在の整体院では同じような治療は行っておりません。
整体では違ったアプローチを用いながら、患者様の不快症状や痛みに対処しております。
動画をご覧いただく際は、音声が含まれているためご注意ください。
↑ 左手首の骨折により、ギプスで約一か月間固定しました。
固定解除後、関節周囲の皮膚や筋肉の拘縮が見られます。
動かすことが難しく、痛みが強く出る状態でした。
↑ 患者さんの努力により、動きが大幅に改善しました。
治療を始めた当初は手首が反対に曲がり、正しい位置に整復・固定する必要がありましたが、長期間のリハビリにより動きが大分改善されています。
治療初日から経過を追っていくつかのレントゲン画像をご紹介します。
↑ 骨折した部位がずれ、神経や血管に影響を及ぼしています。
横と後ろにずれた骨は、筋肉に引っ張られて短くなっています。
↑ 折れた部位を引っ張り、ずれを整えた後、慎重に固定した状態です。
固定はコットンローダー肢位にならないように神経を圧迫せずかつ再度ずれないように細心の注意をはらいました。
※Cotton-Loder肢位(手関節最大掌屈・尺屈位,前腕回内位)
↑ 骨のずれや神経損傷が確認されず、問題はありませんでした。
この時期からは患部以外の関節を動かすトレーニングを開始しました。
腫れが引き、固定が緩んできたため、より強固なギプス固定に変更しました。
骨の位置が完全に合っていて、非常に良好な状態です。
固定や整復が不十分だと、骨がずれて結合してしまう可能性があります。
そのような状況になると、手術が必要になります。
そのため、休日でも患者さんの骨がずれていないかどうかが気になります。
一週間ごとのレントゲンで骨がずれていないことが確認できたとき、心から安堵感を覚えます。
患者様の頑張りにより、問題なく治療が進んでいます。
レントゲンで問題ないのを確認後固定終了。
患部の本格的なリハビリ開始。
リハビリは痛みとの戦いですが、患者様の努力により動きが良くなっています。
この頃になると骨折部も大分白くなってきています。
これは新しい骨ができている証拠です。
骨も滑らかな曲線を描いています。
初日のレントゲン↓と見比べると骨の短縮と後ろに倒れていたのが改善しています。
あとは骨折前の可動域と筋力を取り戻すだけです。
骨折初日のレントゲン画像 ↓